その時に初めて知ったんです。
私の八重歯は単に尖って出っ張った歯ということだけではなく、欧米では「ドラキュラの牙」を連想させるもので非常に嫌がられているということを。
アメリカのビジネス界におけるエグゼクティブ達は康管理や自己管理の一環として「ダイエット」や「禁煙」をしているといいます。
よく、アメリカのビジネスを舞台にした映画の中でも、出世を望むビジネスパーソンがランニングマシーンで一汗かいてから出勤していくシーンや、大切な会議の前に歯のホワイトニングに勤しむ姿を目にしたことがありませんか?
アメリカでは、「肥満」や「喫煙」は自己管理ができていないと判断されてしまい、出世に響くと言われています。
確かに、上級管理職や役員が肥満体型だったり、ヘビースモーカーだったりすれば、ゆくゆくは健康に害がありそうですし、自己管理もできない人が会社のマネジメントなんかできるわけないと判断されてしまうというのはよくわかります。
いざ、組織にとって何か緊急の事態が起きた時に、体調が悪くて対応できない、ヘビースモーカーで肺を患い入院しています…なんてことになったら目も当てられませんよね?
グローバル企業にとっては、経営判断は時間との戦いでもあります。
しかし、今回、肥満でないこと、喫煙者でないことと同じように、「歯並びが良い」ことが企業の上級職に就く条件であったりすることを知りました。
歯のメンテナンスも自己管理の1つなんでしょうか?
相手に対しての印象がいいからなのでしょうかね。
そういえば昔、「芸能人は歯が命」なんてフレーズを聞いたことがありました。
(今の若い方はもう知らないかもしれませんね。)
しかし、アメリカではなんと、「ビジネスパーソンも歯が命」だったわけです。
歯に対しての意識が高い国なので、歯並びが悪いと歯の矯正を子供の頃に受けられなかった、そういう家庭環境で育ったと思われてしまう傾向もあるということでした。
ところで、アメリカだけではなく、例えば中国でも八重歯は「虎の歯」と呼ばれ、「幸福が逃げる」とか「親や配偶者との離別を早める」などの迷信があり嫌われるというのはご存知ですか?
(ええ、そうなのーーーー!!?)
いや、元々八重歯のことは気にしてましたよ。
でも、これにはちょっとショックでした。
八重歯は見た目のこともそうですが、噛み合わせが悪く歯の収まりが悪いこと、また、そのせいで睡眠中に歯ぎしりをしてしまうこと、そして、八重歯のせいでブラッシングしづらく虫歯になりやすいことも気にしていました。
それでも八重歯を可愛いと思ってくれる人もいるから、個性として受け止めようと自分をなだめてきました。
しかし、日本では一部、チャーミングだと思われている八重歯も、ところ変われば、「ドラキュラの牙」とか「虎の歯」なんて言われてしまうんですね。
(誰だよ、八重歯がチャーミングって言った人ーーーー!!!)
こうして私はいくばくかの英語のスキルとたくさんの思い出や経験とともに、さらに強化された「歯並びコンプレックス」を抱え帰国することになりました。
この時からです。
やっぱり歯並びを綺麗にしたい、八重歯を治したいと強く願うようになったのは…
振り返ると、日本に帰国した後、30代が一番歯並びコンプレックスを感じた時期でした。
でもね、歯の矯正をしようにも留学の費用やら海外生活でそんな貯金なくなってしまったんだよね(笑)
つづく