さてさてもう少し、私ことHARUNAの歯並びコンプレックスの昔話におつきあいくださいね。
先に話した通りで、幼い頃にいくつか歯並びにまつわるエピソードはありましたが、じゃあ、それ以来ずっと歯並びを気にしていたかというと、そんなことはありませんでした。
それ以降は歯並びのことも、歯医者の先生に言われてきたこともすっかり忘れてしまい、歯並びコンプレックスなんて感情とは無縁の生活を送ってきました。
そう、再び歯並びを意識しはじめたのは中学生の時でした。
学校の授業が終わり、幼馴染の友人と家の近所で一緒に遊んでいた時のことです。
「HARUNAちゃんは八重歯なんだね?」
ある時、その友人が私の顔を覗き込みならが突然こう言ってきました。
彼女が見ていたのは私の口元です。
(ああ、私のこの左側のトンガって前に出てる歯って「八重歯」って言うんだ…)
その時に「八重歯」という言葉を覚えました。
そうです、私には左側に尖った八重歯があり、その歯が前に出っ張って出ていました。
また、そのせいで八重歯の隣の歯が奥に引っ込み、下の歯との噛み合わせが逆になってしまっていました。
私は、いつかの祖母の話、そして幼い頃、歯医者の先生が親に話していたことをドキドキしながら思い出していました。(私はみんなとは違う歯の形している…)
でも、その友人は私の心の葛藤など露知らず、続けてこうも言ってくれました。
「HARUNAちゃんの八重歯可愛いね!」
(えっ、八重歯って可愛いものなの!?)
一瞬ドキリとしたものの、友人の「八重歯可愛いね」の一言に私はすっかり安心してしまいました。
子供なんて単純なものです。
(八重歯って可愛いものなの? 可愛いならいいや、もう気にしない!)と思ったのです。
いやむしろ、可愛いと言われたことで八重歯の存在を気に入ってすらいたかもしれません…
我ながら無邪気で可愛い子供時代でした。
そして、後にこの「可愛い八重歯」にどんなに悩まされることになるかをこの時の私はまだ知る由もなかったのです。
世の中には八重歯があってもむしろそれが個性になっていて、笑顔がとてもチャーミングな方がたくさんいらっしゃいます。若い芸能人や女優さんでも八重歯を覗かせた笑顔が可愛い方はたくさんいます。
また、そういう方はそれを自分のチャームポイントとしてプラスに捉えていることでしょう。
一方で、八重歯さえなければ… と八重歯をコンプレックスに感じている人もいるでしょう。
それは人それぞれの感じ方、捉え方だと思うのでどちらも否定するつもりはありません。
私も中学生からはじまり学生の間は、「八重歯は可愛い!」、自分のチャームポイントだと思ってきました。
それが時を経て、時代が変わり、置かれる環境が変わり、自分自身の意識が変わり、いつの日か私の場合はコンプレックスに変わってしまいました。
あなたは八重歯を可愛いと思いますか?